AVANTIギルドブログです
ギルメンの皆さんジャンジャン活用して下さい☆
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
*****
Act 19 「武道大会(覇道を進め!)」
女が放った矢が乱れ飛ぶ。その全てが、眼前の敵へと降り注ぐ。
しかし敵も歴戦の戦士。突進を利用して勢いを削ぎ落とし、矢を放った主に向かう。
そしてそのまま、右手に持つ鈍器が弓の使い手を捉えた瞬間―――
「モブキャラの分際で山子に勝とうなんて、百年早いわー!!」
いつの間にか両手剣を構えていた女に、盛大にカウンターを喰らった。
―――そうして、それが決定打になった。
「おー、流石はねーちゃん。予選ぶっちぎりでクリア。」
「ぅん、そぅだね。ボクも頑張らなきゃっ。」
さて。現在地、ダンバートン北にある闘技場。
要塞都市と化したダンバは、今やそんなものまで存在している。
「………ぁ、次ボクだね。ぃってきます!」
「いってらっしゃい。頑張れー。」
そこで現在、武道大会の本戦に出るための選手を決める、予選が行なわれていた。
で、何故それに山子や二ィルが参加しているのか………話は、数日前にさかのぼる。
シャラノワール杯の優勝商品こと、ダイアンサスの花。
まぁ結論から言うと、これを売ればかなりの額になる。
寧ろ、売るのが勿体無いくらいの貴重品だ。
ならばそれを、借金代わりにするのはどうだろうか。
………姫キララにグライヴはそう持ちかけ、姫キララは承諾したのである。
「………お、にるちゃん勝った。これで3人とも、本戦出場決定だな。」
そうして予選に出て、見事3人とも本戦へと勝ち進んだ。
―――問題の本戦は明日。32人の猛者が集う、トーナメント形式だ。
×××××
「さてさて、それでは皆の本戦出場を祝して、乾ぱ―――」
「山子、ちょっと買出し行って来て。」
「エッ。」
闘技場から姫の店に戻ってきてしばらく。
今は休憩時間で店には山子たちしかいない為、のほほんとしていたのだが………。
「砂糖と珈琲豆と、後それから米ね。10kgのやつ。」
「えっ待って今まさに乾杯しようとしたのに………って米!?
しかも10kgとか、山子に対する嫌がらせ?嫌がらせなの?」
「うん、3割くらい。」
「3わ………。」
姫キララにおつかいを頼まれ、がっくりとうな垂れる山子。
………そう。優勝して商品をゲットするまでは、タダ働きは続行なのだ。
「あ、ちょい待ち。まだあるから。」
「まだあんの!?」
「うん。醤油とみりんと、ついでにソース買ってきて。あ、中濃でね。」
「いやそれどう考えても山子一人で持てないよね!?」
姫の鬼!鬼いぃぃぃと叫ぶ山子。
そんな山子を見かねたのか、二ィルとグライヴが助け舟を出す。
「あーはいはい。一緒に行ってやるよ、ねぇちゃん。」
「ぅんっ。皆でぃけば、早くぉわるょ!」
「に、二ィルちゃん………!」
「………うん。分かってたけど俺は無視なのな。」
二ィルの優しい言葉に感動し、瞳をうるうるさせる山子。
………毎度のことではあるが、グラ君が報われないのはいかがなものか。
×××××
そんなこんなでとりあえず、買い物に出かけた3人。
街はシャラノワール杯で活気に溢れ、まるでお祭りのように賑わっている。
「シャラノワール杯、かぁ………。」
「ん?」
買ったばかりの珈琲豆と砂糖を手に持ちつつ、二ィルがそう呟く。
そしてそれを聞いたグライヴは、訝しげに問うた。
「シャラノワール杯がどうかしたのか?」
「ぁ、ぇっとね。“シャラノワールの森”のぉ話、知ってる?」
「ああ、知ってるけど。………ねぇちゃんは?」
「えーと、女神様と少年だか青年の物語だっけ?」
「ぅん、そぅだよ。シャラノワールと、リュグのぉ話。
元々はコンヌースの一部の地域で伝わってた御伽噺でね………。
ボクもね、その辺りが出身の幼馴染に教ぇてもらったなーって思ぃ出して。」
「あー、アレってあっちの方の話なんだ。初めて知った。」
「ぅん。」
懐かしそうに、楽しげに話す二ィル。
そうしてしばらくすると、昔を思い出したのか………ぽつりと、呟いた。
「元気にしてるかなー………。」
「………誰が?」
「ラド。今頃何してるのかなぁー………って………?」
「ん?」
「へ?」
………今、何か声が多かった。
ハッとして3人が振り向くと、そこにはエルフの少年がいた。
グライヴはその顔に、見覚えがあった。
数日前、ユニコーン像の前でシャラノワールの森の話をしていたエルフ。
それが今、目の前に居る人物だ。
「………ったく、やっと見つけたぞにぃる。」
「ら、らど………?ホンモノ………?」
「俺に偽者がいてどーすんだよ。何の意味もねーだろうが。
………そんなことより。俺がここにいる意味、分かってんだろうな。」
「ぁっ………!」
どうやら、二ィルと少年―――ラドは、旧知の知り合いらしい。
が、どうも穏やかな間柄ではなさそうだ。
2人は話についていけないが、そのことだけはわかった。
「一緒に帰るぞ、二ィル。皆待ってんだから。」
「ゃ………ゃだっ!ボク、みぃちゃんと一緒じゃなきゃ帰らなぃ!」
「んなわがまま言うな!お前がいなきゃ、フィリアはどうなんだよ!
大体、みぃちゃんは自分で出てったんだ!帰ってくるはずないだろ!」
「説得するもん!説得して一緒に帰るんだもん!」
ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん。
………見た感じ子どもの喧嘩、である。だが、本人達は至って真面目である。
と、その時―――
「いいから来い!縛ってでも連れて帰るからな!」
「ゃっ………!」
ぐい、と。ラドが二ィルの腕を引っ張る。
それが痛かったのか、小さいながらも悲鳴を上げる二ィル。
すると次の瞬間。
「わたしのにるちゃんに何をしでかすかこのボケが―――!!」
「ぐほぁっ!?」
▼山子は 米10kgを ぶん投げた!
「おお、クリティカル。つか、ダメ3桁とかすげーなねぇちゃん。」
そしてその様子を見て、冷静に分析するグライヴ。
………人間に投擲スキルがあったなら、かなりの大ダメージだっただろうに。
「にぃるちゃんを掻っ攫おうなんて一万年と二千年早いわ!!
どうしても攫いたいというのであれば、山子の屍を超えて行け!!」
「ゃ、ゃまちゃかっこぃー………じゃなくて!
助けてくれたのは嬉しいけどっ、ラド、ラドー!?しっかりしてー!」
ゆさゆさと、米10kgをクリティカルで喰らって伸びたラドをゆする二ィル。
………寧ろトドメを刺しているような気がするのは何故だろうか。
「しっかりしてーっ!?」
ダンバの通りのど真ん中、二ィルの叫びが響き渡ったそうな。
Next Story...Act 20 「幼馴染と家出少女」
PR
この記事にコメントする