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*****

Act ?? 「一つの幸福の残骸」


それは本人達しか知り得ない、一つの物語の欠片―――

「Faura yerwe murfan anw sol ciel.
   (小鳥は啼く 世界を想い)
Faura sonwe murfan anw sol ciel ee.
   (小鳥は謳う 人々を想い)
Ridalnae sol ciel yanyaue manaf.
   (掛け替えの無い世界 貴き生命達)
presia yasra lusye enclone anw omnis.
   (慈しみの光 溢れる日を願い―――)

―――………どうした、***。」

「………私の知らない詩だわ、と思って。
いえ………寧ろ、貴方が謳うところなんて、初めて見たわ。中々、上手なのね。」


緑溢るる、何処かの草原の只中。
銀の長い髪の少年と、金色の髪の少女が居た。

「………今のは、俺が初めて創った詩だ。」
「あら、そうなの?」
「ああ。だが、何が悪かったのか………何の効果もでない詩だ。
ただ、戒めとしては丁度良いんでな。今後の為にも、こうして時々思い出す。」

「そうなのね。だけど私はその詩、結構好きだわ。
世界に対する、貴方の愛が満ち溢れているもの。………素敵よ。」

「………そう言ってもらえるなら、この詩にも意味はあるんだろうな。」

少年と少女は大地に座して、言葉を交し合う。
そうしてそれが途切れたかと思えば、どちらともなく詩を謳う。
今、詩を謳うのは―――少年の方だ。

「………ねぇ。さっきの詩、私に教えなさい。」
「教えるのは構わないが、何の役にも立たないぞ。」
「承知してるわ。でも、良いでしょう?
その詩、気に入ったのだもの。………そういえば、タイトルを聞いてないわね。」

「分かった、教える。―――この詩は、ハーモニウス。
『EXEC_HARMONIUS/.』―――冀望(きぼう)の詩だ。」


そうして再び、緑の世界に詩が響く。

「Van fandel viega heighte mea,
   (喩え 数多の刃にうたれる時も)
van fandel wis lurrea,
   (数多の恐怖に慄く時も)
van fandel cryudea ousye,
   (数多の苦難に喘ぐ時も)
van fandel deleir ousye,
   (数多の禍に追われる時も)
van fandel gauzewiga der lamenza,
   (数多の嘆きが絶望へと歪む時も)」

「was ki ra tasyue eterne sarla yor.
   (決して途絶えぬ詩を 御身へと捧げん)
Alroetsue kierre iem,
   (今が贖罪の刻)
fandel zadius,hierle melifan,iem endia.
   (憎悪の連鎖 嘆きの歴史を 今断たん)」



―――それは本人達しか知り得ない、一つの物語の欠片。
もう手にすることの叶わない、………一つの幸福の、残骸にも似た。





Next Story...Act 17 「謳う丘(と再会の姫)」


×××××

今回、本文中に用いた曲
「EXEC_HARMONIUS/.」(エグゼグ・ハーモニウス)
出典:アルトネリコ、歌手:志方 あきこ

EXEC_HARMONIUS/.を聴いてみる(You Tube リンク)
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