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Act 13 「賢帝と暴君、証の剣」


「………いやもう、ホンット酷い目にあった………。
何コレ?何なんコレ?山子、主人公だよね?外道でも主人公だよね?」

「ご、ごめんね、ゃまちゃ………。」

mishiaがバンホから去って、早数時間。
バンホールの村はすっかり普段の落ち着きを取り戻していた。
………mishiaに競り負けた二ィルと、巻き込まれて吹っ飛んだ山子もまた。
とは言え、二ィルの方は未だに落ち込んでいるのだが………。

「てゆーか、起きた時にはもうみしあちゃんいねーとか何この展開。
そこはやっぱ主人公の山子様がみしあちゃんお持ち帰りして『完!』だろ!?」

「………………。」
「………も、もしもーし、にーるちゃーん………。」

ツッコミを入れてくれる人がいないと、山子の言動は結構アレである。
………まぁ、ツッコミを入れたとしても変わらない気がするのはさておき。

「よ、2人共。なんだかんだで派手にやってたらしいな。」
「んあ?………おう、綾徒くん。」

そんな重苦しい空気の2人の間に現れたのは、数時間前に分かれた綾徒であった。

「mishiaと派手にやりあった、って聞いたぜ。」
「やったのは山子じゃなくてにぃるちゃんだけどな………。」
「知ってる。さっき村の人たちに聞いたから。
………と、そんなことより。俺とした契約、覚えてるよな?」


そして、同じく数時間前に交わした契約のことを持ち出してくる綾徒。

「ああ、どっか行ってほしいとこがあるとかなんとか。
………おっけ、じゃあ行こう。みしあちゃん居なくなったから、もうやることないし。
ほら、にぃるちゃんも落ち込んでないで行くぞ!」

「ぇっ?ぅ、ぅん………。」
「OK,それじゃあ行こう。………と言っても、行くのはさっきの廃鉱だが。」
「は?」

………とまぁ、軽くそんなことを告げられて。
山子と二ィルは互いに疑問符を乱立させながらも、大人しく綾徒に着いて行く。
バリDの裏手から廃鉱へ潜り、そして来た道順を逆に進んで行き………。

「………ん?こっちって確か、さっき綾徒くんが行った方向?」
「そ。この先に、“証の剣”があるんだよ。」
「あかしの………つるぎ?」

そうして、先程は分かれ道で行かなかった方向へと足を向け。
――― 一番奥まで辿り着くと、そこには。

「剣が、2本………?」

そこには、2本の剣が交差して地面に刺さっていた。
………どちらも、かなりの業物のようだ。
山子には鑑定スキルなどないが、それでも見れば分かる程には。

「そう。この2本が、“証の剣”と呼ばれるモノだ。
―――名は『碧の賢帝』、そして『紅の暴君』と。」

「………しゃるとす、きるすれす………?」

『碧の賢帝』―――シャルトス。
『紅の暴君』―――キルスレス。
山子はその名を耳にして、言いも知れぬ“懐かしさ”を感じた。
そうして、フラリとその手を剣に伸ばして―――

「―――その剣を、抜いてくれ。それが証明になる。」
「………うりゃあああ!」

―――剣を、引き抜いた!

「やっぱりか………。分かっちゃいたが、お前が本当にそうだったんだな。」
「へ………?いやあの、“そうだった”って………?」
「簡単な話さ。さっきから言ってるように、この剣は“証の剣”。
―――“勇み世を救う者”、即ちこの世界を救う勇者にしか抜剣できないモノだ。」

「………はい?世界を救う勇者とか、何デスカそれ。
山子、外道なら兎も角、そんな王道主人公になった覚えはないよ?」

「実を言うと、俺も正直詳しくは知らないんだなコレが。
ただ、1000年に一度現れて、人々の平和を護る存在………とか何とか。
………詳しいことが知りたいなら、ウルラの最果てに行くといい。」

「ウルラの最果てって、シドスネッター………?」
「ああ。………そこで、全てが分かるだろう。」

―――そうして山子の中で、次の目的地が決定された。
目的地、シドスネッター。

ウルラの最果てにして、雪深き閉鎖された土地―――




Next Story...Act 14 「天使の系譜(尊き命。)」


×××××

用語解説 その3

『碧の賢帝(シャルトス)』と『紅の暴君(キルスレス)』。
出典はサモンナイト3。分かりやすく言うと、「魔剣」の類である。
スキルは「抜剣覚醒」=「デッドアンドリバース」。
要するに戦闘不能になった瞬間、体力MAX+強化付きで復活するスキル。

但し、ゲームのストーリー前半にこの「抜剣覚醒」を使用すると、
カルマ値=バッドエンドフラグのポイントに+3加算される。
無論、溜まればエンディングがどうなるかは言うまでも無い。

尚、この設定をRPGで使用する可能性も有るので、山子は要注意のこと。

「え、マジで?」

マジです。


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